Tuesday, March 21, 2006

6週目の私の執筆記事:1. 仏デモ

フランスデモの詳細を少し。

(発行日のドタバタハプニングは「ワールドインウェールズ、6週目は平静を装いつつ、終了」をご覧下さい)

フランスは若年層の失業率が20%ととても高く、貧困地区(昨年の一連の暴動を覚えていますか?)では50%を下らないのが実態です。そこで、これを解消しようと政府が思いついたのが「若者を雇いやすくする法」。でもこれは「若者を解雇しやすくする法」でもあります。

どういうことかというと、この法律は、26歳以下の被雇用者は2年間の使用期間内ならば、正当な理由なく解雇できる、という内容です。つまり、企業は「この若いの、ちょっと頼りなさそうだけど、とりあえず雇ってみてましょうか」ということが気軽にできるのです。なぜかといいますと、「やっぱり使えなかった」と思ったら、堂々と理由も告げずに「明日から来なくていいよ」と言えるということです。

この法律は政府の言う通り、失業対策になると思いますか。さてさて、自分の胸に手を当てて考えてみましょう。こんな法律があったらいろいろな職種が試せてよさそうですか? それとも解雇されてしまいそうですか 笑? それとももう対象年齢外 笑笑?

この法律が10日前に国会を通過したので、労組や学生団体が連日デモを行っているのです。「若者を使い捨てにするな」ということです。土曜日には政府推定53万人、労組によれば100万人がデモを行ったということです。

ところで、政府は移民二世、三世(多くが貧困地区に暮らし、就職差別を受けているのが実態)の失業率の高さに困惑してこの法律を導入したのですが、デモの中心は中流階級の人々というのが興味深いと思います。学生のデモは、名門ソルボンヌ大学がイニシアチブをとっています。

政府が国民の声を聞かないというところは日本と似ていますね。でも50万人を超えるデモにも屈しないフランス政府は強靭だと思います。この先、政府 vs 労組と学生、はどこに妥協点を見いだすのか、ぜひ、注目していきましょう☆